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Explantory Note 凡 例

「仏教児童メディアデータベース」は、絵本・紙芝居・童話・漫画・パネルシアター・童謡といった仏教児童文化財のデータを集積し、研究に活用するための情報閲覧システムです。

開発の始まりは、2011年3月に大正大学で受理された博士論文『仏教絵本の研究-宗祖伝絵本の形成』の調査記録目録にまで遡ります。

「仏教児童書綜合目録」と名付けたこのプロトタイプは、Microsoft Office Accessで制作されたデータベースでしたが、オンラインでの利用を想定していなかったため、レコードの移植と、インターネットでの公開とを可能にするセカンドバージョンを制作しました。



【収集方法】

仏教に関する創作物は、古くから存在しますが、美術の範囲より外れる近現代の仏教児童文化財は、宗教的である理由から収集が避けられてきました。

しかしながら、近年では、徐々にメディアコンテンツのモチーフとして、仏教文化が注目されてきた事から、この分野にもようやく関心が集まるようになっています。


「仏教児童メディアデータベース?」では、明治期から現代にかけて制作された児童向け創作物を調査対象としますが、従来の児童文化的枠組に留まらず、大人を対象とした作品も収集しています。

仏教児童文化財の採取については、主に四つの調査方法をとっています。

(1)公共図書館の検索システムを用いた調査
 国立国会図書館サーチ、都立図書館、梅花女子大学図書館、白百合女子大学図書館などの児童書に特化した図書館の検索システムを利用し、可能であれば実物を確認し、対象資料の情報を収集する。

(2)古書店からの入手
 児童書に特化した古書店やインターネットの古書検索サイトなどから、流通している資料を入手する。

(3)仏教書専門店やインターネット販売サイトからの入手

 現行販売されている仏教児童メディアは、仏教教団が運営するWEBサイトや仏教書を専門に扱う小売書店、通販サイトから入手することができるため、そうした手段を用いて、対象資料を収集する。


(4)寺院や門前の土産物屋からの入手
 寺院での配布、有名寺院門前の土産物屋で販売されている仏教メディアを調査入手する。


(5)出版社・寺院からの提供。
 研究に協力的な仏教系出版社や寺院から資料提供される場合もある。

このデータベースでは、仏教児童文化財の情報を管理することで、時代や地域ごとに、文化現象としての仏教がいかに認識され、伝達され、解釈され、変容してきたのかを解明する諸研究の一助にしたいと考えております。


【編集方針】

情報項目は、国立国会図書館、東京都立図書館等の公共図書館が公開する書籍検索システムを参照し、プログラムには、浅岡省一氏が開発したDatabase Factory 2を採用しました。

作成に際しては、書誌情報だけでなく、研究資源として活用できるプラットホームの構築を試みています。


「仏教児童メディアデータベース」は、1件あたり30項目の情報が登録されています。

基本的な形式は、国立国会図書館の書籍検索システムを参照にしましたが、より細かな条件で検索できるよう、項目の細分化をはかりました。

また、学術研究に資するシステムを構築するため、作品概要の説明を充実させ、CiNiiやJ-STAGE、学術機関のデポジトリに登録されている研究資料へのリンクもできるようにしました。



【表 記】

(1)和語・漢語は、ひらがな、外来語は、カタカナを使用した。

(2)和語・漢語は、原則として現代仮名遣いを用いた。

(3)外来語は、現代語にしたがい、長音「ー」や拗音「ァ・ィ・ゥ・ェ・ォ」等を用いた。

(4)記載の末尾には、原則「.」を入れた。ただし、NDCのようにあらかじめ表記が定められている場合等は入れなかった。

(5)情報項目の細分化は、関係性のある情報区分に「:」「=」「;」「×」を、断絶性を強調する場合は、「||」「/」の区分記号を各項目ごとに使い分けて用いた。

(6)資料種別、タイトル、制作元、製造流通、研究資料の項目は、「:」で情報の二分をする。

(7)人物名は、漢字とカタカナの表記を「||」で区切った。

(8)数字の場合は、「=」を入れて分けた。

(9)形態/付属資料は、分量と寸法を「;」で区分した。寸法は、縦と横を「×」で表した。その後を「/」で区切り、付属資料について記した。

(10)目次は、章段タイトルとページを「/」で二分した。

(11)区分記号は、情報の関係性により、複数以上用いて区切った。


【項 目】

(1)表紙画像
文化財の表紙画像を表示した。ただし、著作権の関係上、表示できないものは、空欄にした。

(2)タイトル
文化財の主題と副題を表示した。

(3)タイトルよみ
文化財の主題と副題をカタカナで表示した。

(4)並列タイトル
主題と副題タイトルの別言語によるタイトルを表示した。

(5)シリーズ
文化財のシリーズ名を表示した。

(6)収録物名
文化財を収録する書籍や雑誌の媒体タイトルを表示した。

(7)制作責任者
文化財を編纂・制作した責任編著者や団体名等の名称を表示した。名称の後には、「著」「編」「監督」等の役割分担を入れた。

(8)個人標目
責任編著者を含めた全ての作者名を、姓と名に分け、漢字ひらがなとカタカナの表記別で表示した。

(9)出版地
ISO 3166-1で規定されている国名コードにしたがい、出版国を表示し、地名も併記した。

(10)編集制作
制作元の名称を表示した。表記は、出版社名あるいはプロダクション名を記した。

(11)製造流通
文化財を製造流通した拠点地域に続き、印刷所.販売元.配給会社といった製造流通元について表示した。

(12)巻号
シリーズや逐次刊行物の巻号を表示した。巻と号は「=」で二分した。

(13)出版年月日
文化財の出版年月日を表示した。原則西暦で入力し「.」で月と日を区切った。

(14)規格
書籍に付された国際標準図書番号(ISBN)、あるいはレコード商品番号体系等の分類番号を表示した。

記載の冒頭には、規格名であるISBN、RIS502を明記し、区別した。

(15)価格等
販売価格を表示した。

(16)MARC番号
株式会社図株式会社図書館流通センターの機械可読目録(MARC)番号を表記した。

(17)件名
ジャンル、主人公、話型、テーマ等、文化財の特徴を説明するキーワードを表示した。

(18)NDC 9版
日本十進分類法第9版の区分番号を表示した。

(19)対象利用者
文化財を扱う対象となる利用者について区分した。対象年齢が記載されているも場合はあわせて表示した。

(20)資料種別
文化財の資料種別を表示した。

表記カテゴリには、図書、記事、音響、映像(記録媒体の表記)、教材、論文、サイトを主分類とした。

副分類に、絵本、紙芝居、パネルシアター、漫画、冊子、掛図、事典、玩具、装具、新聞、雑誌等のカテゴリを設定した。

(21) 本文の言語
文化財の使用言語を表示した。

(22)形態/外形意匠/付属資料
文化財の形態・外部意匠・付属資料を表示した。

書籍は、ページ数、紙芝居は、枚数、音楽・映像は、時間数等の分量を記し、書籍、媒体等の縦と横の寸法、付属資料を表記した。

書籍の場合は、和装、洋装、ハードカバー、ペーパーバック等の外形を指し、ビデオ、CD、DVD等は、パッケージ等の形状に言及

(23)注記
○○の肖像あり、出演者名、再編集等といった文化財の内容面に関する注記について表示した。

(24)要約
文化財の内容を要約した。

(25)構成
絵本や紙芝居の画面構成と開始ページ、図書の章段タイトルと開始ページを表示した。

(26)原話
文化財の原話を表示した。

(27)作者経歴
主要作者の経歴を表示した。

(28)商品説明
制作元・流通元の商品説明、BOOKデータベース、MARCデータベースの記載を表示しました。

(29)研究資料 著者名, タイトル, URL
文化財を取りあげた研究論文の著者名とタイトル、SiNii・J-STAGE・デポジトリのURLを表示した。

(30)所蔵場所
文化財が保管されている場所を表示した。

保管機関施設の名称に続き、詳細な保管場所も記録している。
 
たとえば、国立国会図書館分類表(NDLC)や国立国会図書館書誌ID等の図書館分類番号を記載。

ネット公開されているものについては、URLを表示した。



【図像使用】

著作権法と、公益社団法人著作権情報センターの「著作権Q&A」(
http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime7.html)に沿い、表紙やパッケージに限定して、画像を掲載する。

著作権とは、小説や記事、論文、絵画、写真、地図、楽曲等の「著作物」の作者(著作者)に与えられる権利のことである。

著作権の保護期間は、個人の著作物の場合は「著作者の死後50年を経過するまで」、団体名義の著作物の場合は「著作物の公表後50年を経過するまで」となる。

この著作権には、複製権が含まれており、一定の制限を受けることになるため、原則として著作物の一部分しか複写できない。

これを踏まえて、仏教児童メディアデータベースでは、特に著作権として明記される以下の項目を遵守した図像利用につとめる。

①引用(著作権法第32条)

②インターネット・オークション等の商品紹介用画像の掲載のための複製(著作権法第47条の2)

③インターネット情報検索サービスにおける複製(著作権法第47条の6)

④情報解析のための複製(著作権法第47条の7)

⑤コンピュータにおける著作物利用に伴う複製(著作権法第47条の8)

⑥インターネットサービスの準備に伴う記録媒体への記録・翻案(著作権法第47条の9)

ただし、図像の使用は、明確な判例が存在していないので、注意を払いながら柔軟に対処し、著作権法で対応できないものに関しては、No image is available の空白画像を表示する。
 

仏教児童文化財
 仏教児童文化財は、主に子どもへ向けて仏教に関連するテーマ・題材を表現し、メディアを通じて伝達する創作物の包括的概念である。

具体的には、仏教に関心を寄せる人が、仏教的題材を表現したものとなるが、狭義的には、仏教教団による教化を目的とする再話/創作であり、広義的には、物語の素材に仏教的モチーフを用いた再話/創作として定義される。


(内山憲尚『佛教童話とその活用』興教書院 1941年 71ページ、大島丈志「宮沢賢治「ひかりの素足」論―一九二〇年代から一九三〇年代における仏教的童話の変遷を背景として―」)


(1)仏教絵本
仏教に関連する題材を絵本で表現したもの。明治時代の廃仏毀釈により、江戸時代まで続いてきた権力者の庇護が断たれた日本の仏教界は、新政府が主導する文明開化のもと、西洋文明の教育制度による僧侶育成や、キリスト教の伝道活動を取り入れ、広く国民との関わりを持つようになる。

しかし、国家の公教育に特定宗教を持ち込む事は、原則的に禁じられたため、次世代の国民となる児童に向けた仏教教化は、私立の教育機関や家庭の場に移されていく。その中で生み出された様々な教案・教材の一つが、絵本である。


(森 覚『仏教絵本の研究 宗祖伝絵本の形成』大正大学、2011年、16ページ参照)


(2)仏教紙芝居
仏教に関連する題材を紙芝居で表現したもの。仏教紙芝居は、教育紙芝居の祖である高橋五山の全甲社が、布教僧の内山憲尚から要請を受けて制作された。近年、全甲社現代表である高橋洋子氏により研究が進められている。



(3)仏教童話
子どもを読者対象とした物語で、明治末期から始まる仏教日曜学校の伝道教材として制作され始めた。その成立については、布教僧である内山憲尚の著述に詳しい。


(4)仏教漫画
仏教に関連する題材を表現した漫画。有名なシリーズとしては、青山書院の「幸せを育てる仏教まんが」や大道社の「仏教まんが」、鈴木出版の「仏教コミックス」がある。しかし、2000年以降には、手塚治虫『ブッダ』、水沢めぐみ『寺ガール』、悟東あすか『幸せを呼ぶ仏像めぐり <仏さま、神さま>キャラクター帳』、「門前のにゃん」(臨済宗妙心寺派月刊誌『花園』連載)、「興教大師伝」(真言宗智山派季刊誌『生きる力』連載)、飯島浩介『お坊サンバ!!』、荻野真『孔雀王退魔聖伝』、原作:小宮山健太・作画:河田悠冶『奇怪噺花咲一休』、中村光『聖☆おにいさん』等、多種多様な作品が発表されている。仏教マンガの研究者には、曹洞宗の僧侶である吉村昇洋等が著名。

(5)仏教映像作品
映画・アニメーション・テレビ番組、ネット動画といった仏教的題材を表現する映像作品。

アメリカには、仏教映画財団(Buddhist Film Foundation,略称BFF)という団体が存在し、仏教をテーマとした映画や、仏教に影響を受けた映画の調査を世界的に先導し、あらゆる種類の映画の保存と宣伝販売、映画祭を開催している。

また、カルフォルニア大学バークレー校と共同で仏教映画作品のアーカイブ化を行っている。



(6)仏教パネルシアター
1973年に浄土宗西光寺の住職、古宇田亮順師によって創案された教育教材。パネル布を貼った舞台に、絵や文字をかたどった布を貼りながら、物語、歌遊び、ゲームを展開する。

舞台には付着力のよいパネル布(日本不織布3150番等)を使用し、絵(文字)にはPペーパー(MBSテック130番、180番等)や、和紙等を用いる。


(7)仏教音楽

仏教系幼稚園、仏教系保育園、仏教日曜学校などで斉唱・合唱される仏教を讃える童謡・讃歌等の総称。和讃(御詠歌など)や声明を主体として発展してきた日本の仏教音楽は、明治期に入り、キリスト教の讃美歌に刺激されて西洋音楽を導入した。

これにより、歌唱伝道が開始され、唱歌に始まり、讃歌、オペラ、カンタータ、交響曲にまで展開されていく。

仏教讃歌は、今日に至るまで、盛んに作られ、現在まで300曲以上の仏教讃歌がある。仏教讃歌の中には、仏教日曜学校などに通う子どものために制作された楽曲も存在する。

それらは仏教童謡と呼ばれ、内山憲尚、玉山英光、森爽、賀来琢磨、本多鉄麿など、大正期から昭和期にかけて仏教教育に関わった人々が作曲している。



(8)仏教伝道図画・掲示物
仏教に関連する題材を表現した絵図・掛図・ポスターの伝道教材。日本仏教保育協会編・小島直画「釈尊伝図絵」、諸橋精光「掲示伝道仏教説話集」、小島直原画「西陣織 親鸞聖人童形画額絵」等がある。


(9)仏教ぬりえ

仏教的図像に色をつけるぬりえ遊びの本。


(10)仏教玩具
アクションフィギュア、カードゲーム、ボードゲーム、双六、ビデオゲーム、モバイルアプリ等の仏教に関連する玩具。


(11)仏教劇
仏教劇とは、演劇・児童劇・人形劇・ペープサート(紙人形劇)を包括する概念である。

中世ヨーロッパから公演されてきた宗教劇は、近代キリスト教のクリスマス劇として受け継がれ、仏教児童教育にも影響を与えている。

近代日本の仏教児童教育には、大正時代後期から鑑賞教育という観点から演劇的手法が持ち込まれ、大正5年から仏教日曜学校の教案として、仏教童話劇の脚本集が次々と出版され、子ども会等で実演されるようになった。


(12)人形劇・おもちゃ芝居
人形劇に関しては、大正12年に東京女子高等師範学校附属幼稚園主事の倉橋惣三が、「お茶の水人形座」を開演した事に始まる。

仏教保育では、大正13年に、芝増上寺明徳幼稚園主事の内山憲尚がギニョールの指人形劇を実演。

昭和期に入ると、既製玩具を使用したおもちゃ芝居等が派生した。仏教児童教育における演劇史は、冨田博之の『日本演劇教育史』、斎藤尚子の『保育における人形劇の史的検討』に詳しい。



(13)ペープサート
紙立人形劇のペープサートは、江戸時代から実演されてきた立絵を児童教育にとりいれようと考えた永柴孝堂氏(1909~1984)が紙芝居と区別するために、paper puppet theater(ペーパー・パペット・シアター)を短縮して命名した造語である。

キャラクターや物を描いた紙へ棒をつけて動かしながら演じる。表と裏で別の絵が描かれており、背景の前で人形を動かし、人形の表裏を返すことで動作を表現する。


(14)仏教伝道カード
仏教の伝道を目的として配布されるカード。明治時代に解禁されたキリスト教の宣教師が伝道教材として用いた事から、日本の仏教界でも制作されるようになった。お盆の起源を説明するものや、参拝の印として配布されるカード等、様々なものがある。


(15)仏教教化用品
児童に向けて仏教伝道を行う際に用いることを目的とした什器・什具・装具・記念品を包括する概念。

対象となるものは、多岐にわたるが、花まつり用のぼり旗・花御堂・誕生仏・白象踏み台・冠・儀式用衣・バッジ・お彼岸用のお菓子・念珠ストラップ・人形・タオル等がある。鈴木出版などの仏教系出版社で販売されている。



(16)仏教文化財関連論文
仏教文化財関連論文は、絵本・漫画・紙芝居等の仏教文化財に関連する学術論文の総称である。

従来、絵本・漫画・紙芝居等の研究は、児童文化という枠組に組み込まれ、児童文学、児童保育等といった学問分野で行われていたが、1997年になると絵本学会が設立される。

1998年には、日本アニメーション学会、2001年に日本マンガ学会がこれに続き、言語や映像、独自の表現に学術的関心が向けられる。

今日では、多くの研究者により、多角的観点から絵本・漫画・紙芝居等を考察する論文が発表されるようになっている。


(17)仏教教育書
仏教日曜学校、仏教幼稚園保育園運営、伝道教材、ボーイスカウト等の仏教児童教育に関する理論書・研究書。




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